•ブリーチ無しの現実

ここ1〜2年の間、お客様からよく尋ねられる事のトップと言ってもいい今回のタイトル、(「ブリーチ無し」でこのカラー出来ますか?)についてお話ししようと思います。

上の3枚並んだ写真ですが、違う髪色の写真を3枚撮ったのではなく、全て同じ髪色なのですが、髪の部分の明るさを写真上で変えて並べただけです。

「写真を加工したからこうなっているんです」というお話ではなく、現実でも髪色を見る場所の明るさや、光の加減によってこれだけ違って見えるという事の一例です。

最近は皆さん、ネットで色んな画像を探してきてくださるので、どういう感じにしたいのかをビジュアルとして伝えてくださるので大変助かります。

ですが、カラーの際の「ブリーチしなくてもこの色になりますか?」というご質問と提示して下さる画像、これがほとんどの場合、ブリーチ(剤)無しでは難しい事が多いんです。

どうしてこういう事が起こるのかと考えると、答えは一つしかなく、

我々美容師側が「ブリーチ無しでこんなカラー出来ますよ〜」って写真をインスタ等に上げるからなんですよね。

試しにインスタで #ブリーチなしカラー で検索したらこんな感じで出てきます。もはやカオスです笑

ブリーチ(剤)無しでこんなに明るくて淡い色が誰でも出来るのなら、そもそも誰もブリーチ無しでもこういう色出来ますか?なんて悩みません。

じゃあこの写真は皆さん嘘をついてるのですか?と聞かれると、これがまた難しいところで、嘘ついてる訳じゃないんだけども、誰でも出来るかというとむしろ出来ない人の方が大多数だし、そもそも髪色をよく見せるために、どの写真も明るくし過ぎなんですよね。

普通に室内で写真を撮ると、右列上から4番目や左列上から5番目のように映りますし、室内で見ると実際は髪色もこの程度の見え方です。

ですが、これだと見せるための写真としては判り難い為、撮影用の照明を当てたり、それがない場合は髪色がしっかり見えるように、実際よりも明るい写真を撮る事でそれっぽく見せています。

結果、皆さんがこれ良いな〜って感じる髪色の写真って、なんか写真全体が白々しているでしょう?

これって実際にカメラが取ろうとした適正な明るさよりも、かなり明るく見せようとした時に起こる現象です。

それと、外で撮影している写真ですが、晴れていれば髪色が暗くてもかなり明るく写りますし、色素が薄いタイプの人なら、全く染めていなくても光に透けて透明感たっぷりです笑

そして、これを書くと知らない方は混乱するのかもしれませんが、

そもそも、普通のカラーも必ずブリーチ作用があります。 ブリーチという行程がないと、髪は少しも明るくなりません。

ですから、普通の明るいカラーを何度も繰り返していれば、皆さんが一般的に想像している、一度で金髪になるような「ブリーチ」をやったのと近い状態が出来上がります。

一般的に「ブリーチ無し」って言っているのは、実際には「(1回で金髪になるような)ブリーチ剤を使わない」という事の略なんです。

美容師も普通の「カラー剤」と「ブリーチ剤」を呼び分けてはいますが、カラー剤は脱色作用と染色作用を同時に行う薬剤、「ブリーチ剤」は脱色作用だけに特化した薬剤。

そういう風に認識してもらって良いかと思います。

インスタの中には当然、ちゃんと実際に近い写真を上げてる方もいらっしゃって

この方なんかは現実的な、なるべく見た目に忠実に写った写真を使われていると思います。

でもしかし、これを見た方の殆どの方は「え・・・?どれもみんな茶色やん?」

「アッシュ?・・・ミルクティー?」って思う方が殆どでしょう。

ですがこれが現実です。

ブリーチ(剤)を使わない=髪の色素をたくさんは削れない=透明感なんか出ない

当たり前の事なんです。

よくよく考えてみて下さい。

ブリーチ(剤)は髪が傷む、時間が掛かる、作業が大変、せっかく入れた色はすぐに抜けていく。

やらなくて済むのなら誰もやりたくありません笑

だけど殆どの人は、ブリーチ(剤)を使わないと透明感なんて出ないからブリーチをするんです。

ブリーチ(剤)を使わなくても普通のカラーで透明感が出る人も割といらっしゃいますよ。実際には。

でも、そういう方はそもそも簡単に透明感が出るから、ブリーチした方が良いかどうかなんて悩まないんですよね。

悩むのは、黒々とした髪の色素がたっぷり詰まっているような方。

「アッシュ系にしたいんです」と言ったら、「ブリーチしないと無理ですね」って言われた事がある方。

なかなか難しいところではありますけど、最近は昔よりははるかに赤味の少ないアッシュ系の色なんかも出せるようになっています。

出来る事に限りはありますが、一度ご相談頂ければと思います。

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